仕事にも「自分に合った走り方」がある

“走り方”をテーマにするとランニングかと思われるかもしれませんが、今日は仕事に関連する内容です。陸上競技には短距離・長距離(と中距離)があり、それぞれ求められる資質や能力、あるいは日々のトレーニングは異なるもの。そして、これは仕事にも共通しています。

短距離と長距離

例えば、短期間を全力で突っ走って成果を出す人(短距離型)もいれば、ペースは遅くとも長く走り続けて成果を生み出す人(長距離型)もいます。どちらが良い悪いというのではなく、結果的に自分自身が成果を出しやすい走り方を見つけることが、一番大切ではないでしょうか。

短期間では、あまり大きな成果は得られないケースもあるでしょう。特に大きなプロジェクトほど、規模に比例して長期になるものです。しかし、同じ期間で1の成果を10回出すのと、10の成果を1回出すのでは、結果的に同じこと(ちょっと大雑把ですが…)。会社員であれば、この辺の適性を見抜いた配置が求められます。フリーランスなら、自分に合った取り組み方を選ばなければいけません。

長距離型の人を急かしたところで、恐らく上手くいかないでしょう。短距離の人と同じペースは出せません。むしろミスが起こりやすいですし、自分に合わない仕事の進め方を強いられることで、心身ともに参ってしまいます。これは逆のケースでも同様です。よく「新人(あるいは独立したばかり)の頃はとにかく全力で駆け抜けろ」みたいなことを言う人がいますが、あまり同意できません。それこそ、まずは自分が成果を出しやすいスタイルを見つけることこそ、最初の課題ではないでしょうか。

チームと単独

リレーや駅伝のようにチームで走るのか、それとも単独で走るのかも重要です。もちろん、仕事は自分一人で完結できるものではありませんし、大きな成果を目指せばこそ他者との協力は欠かせません。しかし、周囲との関わり方には配慮が必要です。

私は単独派です。例えば、会社は仲間を増やせば拡大できる可能性もありますが、ひとり会社を貫いているのはその表れと言えるでしょう。一方で、社員ではなくパートナーとして仕事を外部から手伝ってくれる人は大勢います。要するにポイントは、数より関係性なのでしょう。会社員も合わずに独立しましたが、結局のところ会社員そのものが合わないというよりは、その組織の在り方が合わなかったのだと思います。

こういうタイプの人が大勢で細かく連携しながら進めるようなプロジェクトに入ると、居心地が悪くてストレスを抱えたり、人間関係に悩まされたりする可能性は高いものです。あるいは、変に頑張ろうとし過ぎて空回りするかもしれません。自らの役割に集中し、成果を出すために必要な関わりに留めた方が、結果として上手くいくのではないでしょうか。自分のペースで走らないと、息切れしたり力を余らせてしまったりしますから。

もちろん人と関わることが好き、その中で力を発揮する自分でありたいという人もいます。そういう人は、人間関係が希薄だと孤独感に悩まされるかもしれません。誰かと一緒である方が安心感があり、高いパフォーマンスを発揮できるケースはあります。一人では辛い局面でも、周囲に伴走してくれる人がいると力が湧いて頑張れるものです。フリーランスは孤独と言われがちですが、チームを組むことは可能です。社員でなくとも、組織の一員のように働くことはできます。

無理なく最大の成果を

短距離と長距離、チームと単独。独立する際は、どのような走り方が自分に合っているか十分に考えましょう。フリーランスこそ、自らがもっとも最大のパフォーマンスを発揮できる環境を作ることが重要です。仲間がいてもいなくても、最終的には“自分の力で稼ぐ”ことが求められる働き方ですから。心身の負担も大きく変わりますし、環境を間違うと苦しくなってしまいます。せっかくフリーランスになるのなら、無理なく笑顔で居続けながら成果を出しましょう。会社員であっても、できるだけ自分がパフォーマンスを発揮できる環境を得らえる組織選択が望ましいのではないでしょうか。

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