ただ断るのではなく「提案する」ことが大切

仕事していると、対応の難しい依頼の相談を受けることがあります。その理由はスケジュールやリソース、報酬、あるいは分野への知見などさまざまでしょう。私の場合、働く側としてはもちろん、逆に依頼側として「ちょっと厳しいかな…」という仕事をフリーランスの方に相談することがあります。

基本的には断る

対応の難しい仕事を無理を受けてしまうと、自分の首を絞めることになり兼ねません。

  • 長い付き合いだから断りにくい(関係が途切れてしまうかも)
  • 今後に繋がりそうな新規顧客だから断るとチャンスを逃すかも

など、色んな考えが頭の中を巡るでしょう。しかし、例えばスケジュールに無理があると納品物の質が保てず、かえって相手からの評価を下げてしまう可能性があります。あるいは、苦手分野なのに引き受けてしまうと、通常より多くの工数が掛かって割に合わない仕事になってしまうことも考えられます。

ですから、こうした相談は“断る”ことが原則です。私自身、難しそうな案件を相談するときは、基本的に断られること前提で打診しています。それでも引き受けてくれたら感謝しかありませんが、残念ながら結果的に納期が間に合わなかったり、品質に疑問を感じたりということも少なくありません。もちろん依頼側としてはその可能性を踏まえて担保できるよう事前に調整していますが、やはり「断る」ことは大切なのだと感じます。

大切なのは提案すること

断るときは、できるだけ提案することをおすすめします。つまり、ただ「無理ですごめんなさい」ではなく、代替案を用意して伝えるわけです。例えば納期を延ばしてもらったり、業務の一部を切り分けて担当させてもらったり。依頼しているということは、相手はその成果物を求めているということ。その成果物が得られるための提案であれば、受けて悪い気はしないでしょう。むしろ、前向きに検討してくれるケースは多いはずです。

ここで重要なのは、「相手が欲しいのは何なのか」を理解すること。例えば資料作成を依頼されたものの、リソース的に厳しいとしましょう。しかし、0から作成する余裕はなくても、誰かが作成した叩き台をもとに最終版へブラシュアップすることは可能かもしれません。それなら、依頼元側で叩き台を用意してもらい(あるいは自分で叩き台の作成担当者を手配させてもらう)、ブラッシュアップのみ担当させてもらえないか提案してみます。

この場合、0から作成するのに比べれば、自分の業務負荷も軽くて済むでしょう。それなら報酬額を調整し、その差額分で叩き台を作ってもらえるよう配慮してみてください。最終的に求めているものが得られ、かつコストも変わらないのであれば、提案を受け入れてもらえる可能性は高いはず。そして、自分も無理のない範囲で報酬を得られ、相手との関係性にも傷がつきません。むしろ、より良好な関係構築に繋がることだって期待できるでしょう。

結果、働きやすい環境が作られていく

100%相手の要望に応えられれば、それはもちろん素晴らしいのかもしれません。しかし、実際には難しいですし、自分の首を絞めてまで実現させるべきものではないでしょう。特に独立したばかり、あるいは売上状況が芳しくないタイミングでは、つい無理してしまいがちです。

もちろん、提案が必ず受け入れられるとは限りません。やはり難しいという結論になり、その仕事は他の人に依頼されることもあるでしょう。では、それで関係が切れてしまうのか。もちろん可能性はありますが、それでも構いません。そういう相手は、ただ都合の良い労働力を求めているだけです。こちらのこともちゃんと考えてくれる相手であれば、なんとか要望に応えようと提案したことを評価し、別の機会に改めて相談してくれるはず。そういうクライアントだけが残って(もちろん増やして)いければ、結果としてお互いに働きやすい環境が作られていきます。

とはいえ、相談を受けるたび断っていたのでは、やはり「どうせ難しいよな」と疎遠になってしまうでしょう。どこで線引きするのかは、経験の中でしっかり考えておきたい部分です。そのためには、相談内容をちゃんと深部まで理解し、自分の能力やリソース等を正しく把握しておくことも求められます。

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