フリーライターとして活動していると、実にさまざまな相談を受けます。個人が企業から求められ、働き方が多様化(=自由度が増す)ことは大歓迎。しかし、例えば支払いの遅滞が起きたり著作権違反が起きたり…問題は絶えないようです。
そんな中、どうも最近特に気になっていることがあります。それが『偽装請負』という問題。私は人材業界に身を置いていた時期があり、この辺にはちょっと知見があると共に敏感です。もともとエンジニアなどで問題になった『偽装請負』ですが、どうやらフリーライター界隈にも似たような状況が起きつつある懸念があり、その辺を考えてみたいと思います。
※私は法律の専門家ではなく、あくまで人材業界で培った、そして新たに調べた知識をもとにブログを綴っています。ここではケースも取り上げますが、必ずしも100%「偽装だ!」と言い切れるものではなく、それは法律の専門家でなければ分かりません。あらかじめご理解ください。
偽装請負って何?
フリーライターはクライアントと業務委託(=請負)契約を結び、その契約下において“成果物を提供”します。労働力を提供する立場ではなく、契約における成果物が納品される限りは、例えば勤務時間など縛られないという理解です。その代わり、その成果物に対しては責任を負う必要があり、もし瑕疵があれば修正(場合によって賠償)しなくてはいけません。
偽装派遣はよく常駐型のエンジニアなどで問題視されました。これはつまり、企業がエンジニアと雇用リスクを負わない請負関係を持ち、しかし実際には社内で社員と変わらない労働関係を持っている・・・というもの。紛れもなく法律違反だったわけです。こうした背景から
「つまり社員との契約を雇用→請負に切り替えて、リスク回避してるわけね」
と思われがちですが、ちょっと違います。ライターに関しては、むしろ最初から委託関係で人を囲い、この“実態は社員”的な状況が蔓延しつつあると感じています。
具体的に2つ、実際に私が相談を受けたことのあるケースを取り上げながら考察してみます。もちろん具体的な企業名などは明かしませんが、「これって自分は大丈夫?」と気になったら、是非とも自分(あるいは自社)の状況を確かめてみてください。