いいでしょ?僕の人生

【ニュース】大阪府で3歳児が衰弱死


3478686957_ecd9fee9b1_b2014年11月20日、大阪府茨木市で夫22歳・妻19歳の若い夫婦が逮捕された。その理由は、3歳の子どもを衰弱死によって殺害させた容疑だという。亡くなった子どもの腸からは、アルミやロウなどが見つかった。妻は未成年のため、氏名や素顔も公開されていない。調べによれば、衰弱死からは相当な日数が経過(6月15日)しているようだ。

出産の経緯、あるいは夫婦間の関係など知る由もないが、育てるという責任を負えないのであれば産むべきではないと思う。もちろん、実際に産んでから知ったことも多いだろう。想像以上に子育てが大変でストレスが溜まり、生活が苦しかったのかもしれない。しかしどんな理由があっても、人の生命を奪う権利は誰にもないはずだ。

■周囲に頼れる人はいなかったのか

19歳と22歳で3歳の子どもがいるというのは、「若くして子を授かった」ことになるだろう。しかし若いから子どもを育てられないとは思わないし、実際に同じような年齢で子を産み、立派に育てている人はたくさんいる。

しかし出産時に妻は16歳。在学していたかは知らないが、年齢的には高校1〜2年生だ。現時点でもまだ未成年であり、まだ親が見守ってやるべき時期ではないだろうか。もちろん頻繁に家を訪れることができなかったのかもしれないし、電話などだけで察するのは難しいかもしれない。ただ、親が子どもにとって相談できる相手であったならば、防げた事態ではないのか。

アザなども見られるため、虐待の疑いもあるとのこと。そこまで追い込まれる前に、心の支えとなってやることはできなかったのか。食べ物が与えられないレベルで生活が苦しいのならば、それこそお金だけで解決できる問題だったのかもしれない。

「自立した子どもに金銭的な支援をすべきではない」

とする声もあるだろうが、幼い子どもが亡くなるよりマシである。子を育てる大変さは、親ならば当然知っているはずだ。それが結局は亡くなった子どもだけでなく、両親を救うことになるかもしれない。

親と子の関係性。今回の事件はこの19歳・22歳夫婦だけでなく、その両親も含めたところで考えるべきことのような気がする。生命を護ることを何より優先させれば、できたことはたくさんあったのではないだろうか。自身も子を持つ親として、とても考えさせられる。

■どのような子育て環境だったのか

恐らく夫は仕事をしていたのだろう。では、妻はどうだったのか。保育園あるいは幼稚園に子どもが預けられていれば、アザや衰弱状況に気付いたはずだ。それであれば、妻は専業主婦をしていたのかもしれない。

衰弱死ということは、十分な食事をさせるお金がなかったのか、そうではなく育児放棄して何も食べさせなかったのか。恐らくいずれかなのだろう。個人的には前者の可能性が高いと考えているが、前者であれば妻は“働く”という選択肢がなかったのか。後者にしても、少しでもストレスを軽減できる、例えば趣味などを見つけることはできなかったのか。

3歳にもなれば自分で遊べるし、たとえ自宅にいても多少自分の時間だって持てるだろう。保育園や幼稚園に預けられれば、パート等で収入だって子どもの食費分くらいは増やせる。今は在宅でも仕事ができるし、子育て環境にもっと工夫ができたのではないか。

もちろん心にゆとりができず、そういう思考にすらならなかったのかもしれない。それならば、夫はそんな妻にどういう接し方をしていたのか。たとえ直接的に子育てを手伝えなくても、ちょっと声を掛けてあげるだけで助けになったかもしれない。子ども1人に対して、大人2人。いろいろな仮説を考えながらも、やはり結局は「親になるべき2人ではなかった」と言わざるをえないのが悲しい。

私だって子育てにストレスを感じることはあるし、妻は尚更だろう。しかし私たちにとって子は何よりの宝であり、だからこそ幸せな人生を歩ませてやりたいと願っている。これから子を産む方、あるいは子育てにストレスを感じている方は、“子育ての素晴らしさ”“子どもの価値”をしっかり見て頂きたい。そしてどうしても辛いときには、是非とも周囲を頼ってほしい

亡くなった幼い生命に、せめてものご冥福をお祈り申し上げます。


情報元:朝日新聞DIGITAL