いいでしょ?僕の人生

法人設立10周年を迎えました

2010年6月に個人事業主として独立し、2013年4月に事業を法人化。ナレッジ・リンクス株式会社を設立して、本日で10周年になりました。至らぬ点が多く未熟ではありますが、これでようやく「経営者です」と胸を張れるでしょうか。社員は持たない一人会社ではありますが、業務を担ってくれる外部パートナーは約100名。コロナ禍となって初期は苦しい時期が続きましたが、お陰さまで昨年度は設立以来、売上・利益とも過去最高となりました。これは私の実力というより周囲からの支えがあってのことであり、この場を借りて心から感謝を申し上げます。

あまり過去を振り返ったり、先々まで明確に目標を決めたりするタイプではありません。しかし、10年という一つの区切りですので、「これまで」と「これから」について少しまとめてみました。読んでくださっている方にとって参考になる内容かは分かりませんが、ご興味のある方はどうぞご笑読ください。

法人化して変わったこと

法人化した主な理由は、売上が大きくなったこと。ですから事業上の苦労という点では、それ以前の方が過酷でした。ちなみに、当時まだ今ほどフリーランスのような働き方が周知されていなかったので、個人だと取引してもらえない企業があったのも一つの理由です。

法人化と共に、経理業務を税理士に委託しました。自分で勉強してみようかとも思いましたが、専門的なことはプロに任せてしまい、その分の時間を自分が得意とすることに費やした方が良いと考えたからです。現在もずっとお世話になっており、経理実務のみならずさまざまな助言も頂いています。

その他には、仕事を進めるうえで大きく変わったことはありません。ずっと自宅で仕事していますし、特に休業日なども固定せず。強いて言えば上場企業を含め、規模の大きな企業との取引が増えたことでしょうか。社員を持たない一人会社のため、仕事の進め方などは個人とほぼ同じです。法人化に合わせて、自分自身は“走る”フリーライターとしてスポーツ分野に特化(実際には他ジャンルも多少担う)したのも、個人のことですが変化の一つでしょうか。その流れで、スポーツでは専門家として寄稿・講演などのご依頼も頂けるようになっています。

事業内容の変化

設立当初はライティングやデザイン、資料作成などの業務を行っていました。私は営業あるいはディレクションを担い、実務を外部のフリーランスに依頼する(一部は自分自身で担当)というスタイル。これは今も当初も変わりませんが、自然と業務はライティングに絞られました。

そんなライティング業務も、以前と同じというわけではありません。当初はSEOを目的としたライティングが多くを占めていましたが、今ではSEOこそ意識はするものの、「読み物」としての意味合いの強いコンテンツが大半です。また、以前は書籍やムック本、企業発刊物など紙媒体もありましたが、数年前から稀少になりました。

一番の変化は、ライティング実務を担っているパートナーの方々でしょうか。もちろんライティングという仕事ですから、多くのパートナーはライターです。しかし、数年前からライターではなく、さまざまな分野の有識者が増えています。例えば税理士や会計士、介護福祉士、FP、建築士、宅地建物取引士、インテリアコーディネーター、フィットネストレーナー等。これはコンテンツにおいて「誰が書いたのか」という裏付けが重要視され、、量より質を重視するようになったからでしょう。

とはいえ、有識者はライターではありません。中には執筆に慣れている方もいますが、求めるのはライティングスキルではなく専門性。そのため、これに伴って校正・編集を行う機会が増えました。さらに、校正・編集のみご依頼を受けることもあります。しばらく事業軸がコンテンツ制作であることは変わらないと思いますが、業務の中身はきっと変化していくのでしょう。

なお、個人的な活動として続けていたランニングクラブ「WILD MOVE」も、現在は法人での運営になっています。小学生から社会人まで少しずつメンバーが増え、現在はちゃんと一つの事業と言える形になりました。一方、2019年7月に立ち上げたコワーキングスペース「Plus Fit」はコロナ禍による影響が大きく、残念ながら約1年で閉鎖に。良いことも悪いこともありますが、変化の中で学び、私も会社も成長していけるのだと感じています。

事業拠点住所は自宅からバーチャルオフィスへ

個人事業主時代からの流れで、法人化した以後も本社住所は自宅にしていました。2017年3月までは東京都葛飾区の持ち家に住んでいたので、事務所利用するのに誰の許可も必要ありません。

しかし、2017年4月に千葉県印西市へ移住。新居は持ち家ではなく、マンションを社宅として賃貸しました。これと同時に、事務所を東京都中央区日本橋へ。とは言ってもオフィス賃貸ではなく、住所のみ利用するバーチャルオフィス。なぜバーチャルオフィスにしたのか、具体的な理由は以下3つです。

  1. マンションが事務所として利用NGだった
  2. 自宅住所をあまり表に出したくなかった
  3. 仕事は変わらず自宅で行うのでオフィス空間は不要だった

ちなみに詳細は触れませんが、2については、そう考えさせられる事件がありました。ですから、2019年には同じ印西市内で改めて家を購入したものの、バーチャルオフィスは引き続き利用しています。郵便物は転送してくれますし、私のような働き方ならまったく不便はありません。なお、バーチャルオフィスのユーザーインタビューがありますので、より詳しい背景やメリット等を知りたい方は下記をご覧ください。

ナレッジ・リンクス株式会社 三河賢文様 事例インタビュー

もっとも苦しかったのはコロナ禍

10年という期間では、本当に色んなことが起こりました。先ほどサラッと触れた事故はもちろん、何度も「辞めてしまおうか」と思ったほどです。しかし、その多くは精神的に追い込まれたもの。やはり経営上で考えると、一番の苦境はコロナ禍での売上低迷です。

まず、主に自分自身が取り組んでいた、スポーツや旅に関する取材等の依頼がなくなりました。それ以外でも取材は激減しましたし、先行きが見えないため発注を控える企業も続々と。案件数は半分…と言っても過言ではなかったでしょう。もちろん、それに売上もほぼ比例します。幸いにも1年ほどで少しずつ回復しましたが、「このまま会社を存続させられないのではないか」と何度も悩んだことを思い出します。先にも触れたコワーキングスペースの閉鎖も、まさにこれと同じ時期でした。

ただ、法人化前にもっと売上のない時期を経験していたので、腐らず前向きに取り組めたことが良かったのかもしれません。ちなみに法人化前は、妻から「これ以上は消費者金融のお世話にならないと」と言われることすらありました。また、いつ苦境が訪れるか分かりませんから、こうした経験を活かして対策を強化していきます。

関わる人々に恵まれている

すべてとは言えませんが、私は人との繋がりに恵まれていると思います。外部パートナーの皆さまもプロであり信頼できる方ばかり。特に大きく募集しているわけではありませんが、少しずつお問合せを受けて増えています。

また、リピートのご依頼も多く、さらに別部署をご紹介頂いて広がるということも少なくありません。私はほとんど電話に出ませんし、定時も決めず好きなときに働いたり走ったり。ときにはマラソン大会への出場を理由に、休業期間を設けることも。それでも皆さん理解してくれますし、だからこそ働きやすさ、生きやすさを感じています。もちろん周囲に迷惑を掛けないよう最大限に考えていますが、やはり周囲のお陰であることが大きく、感謝の気持ちしかありません。

嬉しかったのは外部パートナーからの依頼

苦労と同じくらい、嬉しいことも経験しました。特に、これまで仕事を依頼してきた外部パートナーから、逆に依頼を受けるのは最高です。例えば「仕事が安定してきたから」と、さらなる事業拡大のためにホームページの制作を依頼される。あるいは最近、個人で活動されていたエンジニアの方が法人化されて自社サービスを始め、そこで取り扱うコンテンツ記事の制作依頼を受けました。

なぜ、これが嬉しいのか。それは、「信頼関係があるからこそ仕事を依頼してくれる」と思うからです。既知の間柄だからこそ、私あるいは会社のことを良くご存じのはず。そのうえでご依頼を頂くわけですから、少なくとも事業成長の一旦を担う相手として認めてもらえたということでしょう。これが、嬉しくないはずなんてありません。

これからも変わらぬスタイルで

ここで本来なら、さらなる10年後に向けた目標など掲げるところでしょうか。しかし、私はあまり先々の未来を考えていません。今できること、やるべきことは何なのか。これを尽くしつつ、変化に対して柔軟に進んでいくのみ。ですから私は、これからも変わらぬスタイルで歩み続けます。

その結果、もしかしたら会社は大きく成長しているかもしれません。あまり考えられませんが、何か気持ちが変わって、従業員を雇っている可能性もゼロではないでしょう。逆に経営不振に陥ったり、働くことが嫌になったりして、10年後に会社がなくなっていることだってあり得ます。無限に枝分かれする未来は、誰にも分かりません。だからこそ変わらぬまま突き進み、また10年後に「こんな風になったか」「こんなことが起きたか」なんて思いを巡らせるのでしょう。こんな私、そしてナレッジ・リンクス株式会社ですが、今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

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