いいでしょ?僕の人生

コロナ禍で賃貸マンションから再び戸建てに引っ越しました!のご報告②


前回のブログでお伝えした通り、コロナ禍を背景として引っ越しました。同じ市内で中古物件ですが、人生二度目となる住宅購入。とりあえず新居での生活も落ち着いて快適に暮らせていますが、購入までは思いがけない苦難が…。その辺りを、補足的に少し書き残しておこうと思います。特にフリーランス(私の場合は一人会社の経営者)であること、コロナによる事業への影響が壁となったので、同じような境遇の方には何かしら役に立つかもしれません。

▶前回ブログ「コロナ禍で賃貸マンションから再び戸建てに引っ越しました!のご報告①」

色々あったけど、家族みんな元気で満足しています

フリーランス、本当にローンを組みにくかった!

恐らく「フリーランスや個人事業主はローンが組みにくい」と聞いたことのある方は多いはず。私は以前に都内で物件を購入したのが会社員時代(3年目)で、独立後はローンを組むということがありませんでした。一度だけ独立初期にクレジットカードの審査に落ちるという経験はあったものの、もう独立11年目にもなるため「大丈夫だろう」と甘く考えていたのが正直なところです。前の持ち家はちゃんと売却時にローンを完済しましたし、唯一の借金と呼べる奨学金も3年前に返し終えました。会社だって無借金で、顧問税理士も「問題ないでしょう」とのこと。そのため物件決定後、あまり深く考えずに住宅ローンの審査へと進んだわけです。

以前にも一度家を買っているので、住宅ローンの流れは知っています。まずは物件購入のため、いくつか住宅ローンの事前審査を申請。この事前審査でOKを得られないと、物件を抑えられません(「キャッシュで買います」という人がいたら、その人に決まってしまう可能性も)。ただ、あまり多くの銀行に申請するのは良くないという話を不動産屋さんから聞き、とりあえず「都市銀行」「地方銀行」「ネット銀行」の3つで申し込みました。

結果としては都市銀行がNG。実は以前の物件購入時、まさにこの都市銀行でローンを組んでいたので少しショック…が仕方ありません。幸いにも地方銀行とネット銀行でOKが出たので、不動産屋さんにも相談しつつ地方銀行で本審査を進めました。ちなみにこのとき、もう一方のネット銀行に審査取り下げなど行わなかったのがファインプレイ!その理由は後ほどご説明しましょう。とりあえず不動産屋も「事前審査を通過して、本審査NGということはほとんどないので」と安心し切っている様子。そして私自身も、その言葉に滞りなく物件購入が進んで行くものと思い込んでいました。が、これが全ての間違いです。

事前審査通過も本審査でNG!

「事前審査が通っていれば、余程のことがない限り本審査も通る」というのは通例。恐らく住宅ローンを組んだことがある方は、聞いたことがある話でしょう。聞くところによれば住宅ローンの本審査も期間短縮の傾向があるそうで、地方銀行からも「早ければ1週間程度で結果が出ます」と言われました。

しかし1週間、そして10日経っても連絡なし。さすがに不安になりますが、督促するのも良くないと思い2週間まで待つことに。が、2週間後も音沙汰がないので電話してみたところ、「今日の午後には恐らくお知らせできますので…」ということでした。そして午後、夕方になってから1本の電話が。出てみると担当者ではなく責任者だということで嫌な予感はしたのですが…「ご期待に応えられず」のNG報告です(理由は教えてくれませんでした)。もう、頭の中は一瞬真っ白。なぜなら住宅ローンは問題ないだろうということで、物件の売買契約に関わる期日(正式名称などは省略します)を1週間後に組んでいたのです。つまり、これまでに住宅ローンの本審査が通過する(=確実に資金を揃えられる)ことができなければ、話自体が流れてしまうということ。平静を装って妻に「ダメだったみたい」と伝えながら、心臓バクバクの冷や汗タラタラ。これはマズいと思い、すぐ取ったのは以下2つの行動でした。

  • もう一つ仮審査を通過していたネット銀行に本審査を申請
  • 追加でいくつかの銀行に事前審査を申請

これらを行ったうえで、不動産屋さんに審査NGの連絡を。「ダメでした、今のところ打つ手がありません」というより「ダメでしたが、なんとか契約できるよう●●しています」と言った方が良いと思ったので。幸いにも売主様がとても良い人でご快諾いただき、スケジュール変更も受け入れてくれたのですが…もう1つ問題が。実はこの時点で、前に住んでいたマンションは退去日が決まっていたのです(2か月前の申請が必要で賃料がもったいなく、審査は通ると思い込んでいたミステイク)。そう、もしこの契約が破談になれば、6人家族で宿無し。とにかく即入居できる物件を探して借りるか、実家にでも転がり込むしかありません。

新規事業、大型台風、コロナの影響

ここで住宅ローンの審査通過に至るまでの経緯から少し離れ、思い当たる本審査NGの理由に関する自分なりの考察も述べておきます。フリーランスであるだけでも、もちろん審査が通りにくいのは事実でしょう。しかしそれ以外に、フリーランスは不安定な中でもできる限り安定的な経営を行わなければいけないのだと痛感しました。

法人経営者の場合は、審査の際に過去数年分の決算報告書などを提出します(個人事業主など法人格を持たないフリーランスは確定申告書)。私の場合はここに障壁があり、実は前期、売上・利益が落ちていたのです。その理由はコワーキングスペースを新設するのに資金を使った(その時点では大きく利益も残していたので)こと、コワーキングスペースの運営に1年は注力すべく意図的に他事業の売上を抑えていたこと。そして、コロナによって一時的に事業全体で売上も落ち込みました

閉鎖直前、もぬけの殻になったコワーキングスペースの物件

コワーキングスペースは昨年の大型台風やコロナの影響もあって、想定していた運営に至らず売上も想定以下。さらに取材を含めた出張系の仕事もコロナで激減(というか数か月はゼロ)し、その影響は少なくありません。そのため、住宅ローンを考える以前に損切のためコワーキングスペースは閉鎖を決定。支出は減り、加えて再び他事業に注力して取材等もオンライン化することで、売上が戻ってきたタイミングでした。でも、そんなことお金を貸す側からすれば関係ありません。あくまで過去の情報から判断されるものです。

もちろん、口頭で説明することはできます。私の場合は信用金庫からの助言で文章化し(この件も含めて信用金庫はもっとも信頼感ありました)、これを他の銀行にもカスタマイズして共有しました。しかし、あくまで参考になる程度です。前々期までは好調でも、特に直前の決算情報が芳しくなければ「本当に大丈夫なのか?」「またすぐ傾くのではないか」と思われるのは無理ありません。銀行の担当者からも、やはり回復してきている現状を伝えたところで「それをどう納得してもらえるかが難しい」とも言われました。せめて、ローンの審査担当者に直接説明できれば良いのですが…。これは、完全にタイミングが悪かったと思います。せめて期を越える3月末までなら、昨年度の決算報告書は不要(というか決算していないから全前年度までの3年分で提出)なので多少スムーズに通過していたかもしれません。

ギリギリの審査通過

ネット銀行は一応店舗を持っていたので、電話して即日申請に行きました。仮審査にはその結果をもって本審査を行うための期日があります。これに猶予があり「万が一のときのため」と敢えて仮審査通過後に何も連絡していなかったので、そのまま本審査を申し込めました。担当の方も事情を話すとスムーズに対応してくださり、感謝の限りです。

が、地方銀行だって仮審査は通っていたわけですから、もう何も信じられません。ネット銀行も落ちる前提で母数を増やすべく、他ネット銀行に信用金庫、さらにJAなどまで含めて…何度銀行へ足を運んだことか。実際、最近は仮審査をインターネット上で申請できる銀行が増えていますが、中には職業選択の段階で事業主(法人経営者、フリーランス含む)だとはじかれるケースも。最初から対象外と見られている金融機関もあることは、ちょっと悲しかった思い出です

先に少し触れましたが、信用金庫からのアドバイスで資料追加を求められた際は、窓口で即座にPCを開いて作成。さらに自宅へ帰り、同じものをカスタマイズして他行にも参考資料として提出しました。前述した台風やコロナの影響、そして現状については、事細かに説明書類を用意したのですが、結果的にはこれがかなり良かったようです。しかし、それでも審査は難航するようで…。最終的には最初に仮審査の通っていたネット銀行、そして信用金庫とJAが本審査に進んだ段階で「もう期間的に無理だから」と腹を括り、他の銀行は動きをストップ。ドキドキしながら待ち続ける毎日を送る中、ネット銀行から2週間ほど経って承認の連絡が入りました。それでも減額承認(申請時の希望額より少ない金額での融資)ですが、金利は低いまま通ったので万々歳。切羽詰まっていたので即決しましたが、どの銀行でもご尽力いただき感謝しかありません。

このネット銀行から本審査通過を知らされたのが、前のマンションを退去する20日弱前のこと。そこから銀行との契約、そして融資実行とまったく余裕はありません。本当にバタバタで、引っ越せたのは退去前日でした。ちなみにコロナの影響で夏休みが短くなり、本当は夏休み明け9月から転校させたかったのですが叶わず。1週間は前の家から、毎日私が学校まで子供たちを送迎しました。引っ越し先が遠かったら、どうなっていたんだろう…。これだけは、身軽に動けるフリーランスで良かった点でしょうか。皆さん、家を買って賃貸物件を退去するときは、ちゃんとローンが組める(=確実に購入できる)と分かってから退去届を出しましょう

引っ越しを終えてみて

恐らく同じように家を買おうとしているフリーランスの方なら、「いくら借りたの?」「どこで借りられたの?「実際の決算情報を知りたい」みたいなことを聞きたいと思います。でも、さすがにそこまでは公開したくないので...ご容赦ください。

今では笑い話として「あれは大変だったね」と話せますが、なかなかスリリングな経験でした。つい「会社員だったら…」と考えてしまったこともありますが、乗り越えられて良かった。それでもこの働き方をやめるつもりはありませんが、特にお金に対する考え方は少し変わったかもしれません。とはいえ、そういうことも全て含めて自己責任であり、だからこそ今の働き方・生き方ができるというもの。別に「銀行コノヤロー」「フリーランスの社会的価値が」みたいな話ではなく(むしろ銀行担当者の方々も「これは困った」案件だと思うので)、ちゃんと“実際”を理解しておくことは大切だなと思いました。

とりあえず、また新たな環境で幸せな人生を家族と一緒に歩んでいきます!!