いいでしょ?僕の人生

イメージにとらわれない!広い視野でフリーランスを楽しもう


フリーランスと言っても、その働き方はさまざま。職種や環境はもちろん、そもそも働き方・生き方への考えによって、面白いほど千差万別です。しかしその経験がない人、あるいはフリーランス活動を始めて間もない人からは、少し偏ったイメージが持たれているような気がします。

「フリーランスは◯◯だよね」

「自分は◯◯だけど、フリーランスってそういうものだよね」

こんなフレーズをよく耳にするのですが、恐らくごく一部の情報、あるいは自身の体験から導き出したものなのでしょう。しかしこの“決めつけ”は、働き方・生き方を選択するうえで非常にもったいないと感じるのです。

そこで、よく聞くフリーランスに対するイメージ像、中でも特にネガティブな内容に対して私なりの考えを書いておきます。ただし、何もそれを参考にしてほしいわけも、そうしたイメージを持つ人を否定したいわけでもありません。あくまでここで伝えたいのは、働き方・生き方なんて自分次第で違って当然なのだということ。少し長文ですが、1つの意見としてご覧ください。

■プライベートなんて関係ない?

中には常駐業務に従事するため、独立後も会社員と同じように土日祝休みという方がいます。しかしフリーランスは、基本的にいつ働こうと自由です。常駐業務もまた、それを選んでいるのは自分自身。私にとって、これはフリーランスにとって最大のメリットだと感じています。

しかし一歩間違うと、これが誤解を生んでしまうようです。

働く時間が自由ということは、例えば会社員などと働く時間がズレることも少なくません。土日休みが常識化している人から見ると、土日に仕事していれば「土日まで働いて大変だな」となる。まるで、プライベートなんて関係なく、いつも仕事しているかのように見えるわけです。

もちろんスタート初期ならば、まさにプライベート関係なく働き続ける時期があるかもしれません。私も徹夜が続いたり、いわゆる“デスマーチ状態”を経験したことがあります。しかし現在、SNSなどで私の日常が見えることもあり、私に「いつも働いている」なんて言う人はいません。むしろ「いつ働いているの?」と言われるくらい、お陰さまでプライベートは充実。もちろん土日に仕事することはありますが、その分だけ平日休んだり、週に何日も“半休状態”で働いたり。

中学校から水泳指導を依頼され、空き時間だけプールサイドで仕事することもあります

中学校から水泳指導を依頼され、空き時間だけプールサイドで仕事することもあります

私にとって、仕事は人生の一部にしか過ぎません。むしろ誤解を恐れず言うならば、プライベートを含む人生全体を楽しむために、その手段として仕事しています。ですから「プライベートが関係ない」なんてあり得ないこと。プライベートが充実すればこそ、仕事もより一層頑張れるというものです。

「いつも仕事のことばかり考えている」

なんて言われることもありますが、これは半分当たりで半分はずれ。確かに日常には仕事に繋がるようなチャンス、あるいは学びが多く存在します。そういう意味で、アンテナを張っておくことは大切でしょう。しかし常に仕事のことを考えているなんて、疲れてしまいます。

よく私はレジャーにもノートパソコンを持ち運び、いつでも仕事できる状態を作っています。しかしこれは、むしろ仕事から頭を切り離してレジャーに没頭するため。単純に心配性というのもありますが、何か起きてもすぐ対処できる状態があれば、安心して楽しめるからです。トラブルが起きて、自宅に帰らなければならなくなる…なんて論外。そしてこれは、仕事のご依頼をくださる方々への配慮でもあります。

子ども達と過ごす時間も、人生の大切な1ページ

子ども達と過ごす時間も、人生の大切な1ページ

仕事のことを忘れて、思いっきり楽しむ。私にとっては、ランニングなどまさにそのための時間と言えるでしょう。しかしそうしたリフレッシュタイムが、心身とも結果的に仕事にもプラスに働きます。そして仕事外からの刺激も、しっかり吸収していきたいものです。

■守られないからとにかく働く?

会社員ならば社会保険に加入し、たとえ閑散期でも通常通りの給与を得られるでしょう。私も会社員を経験していますが、今思えばとても恵まれた境遇だと感じます。安定や終身雇用が幻想化した現在においても、その恩恵は大きいものです。

しかしフリーランスは、そうした“守ってくれるモノ”がなくなります。特に金銭的な不安については、想像以上に感じることでしょう。税金の支払などには、「えっ、こんなに!?」と驚くかもしれません。支出を見直し、生活水準を下げたという声も聞きます。

退職金もなく、年金もどれだけ支払われるか分からない。そうなれば、将来への貯蓄について今まで以上に考えなければなりません。そして日々の生活も「稼げなければお金が入ってこない」わけです。そうなれば、

「自分(あるいは家族)を守るため、とにかく働かなければ」

と考えるのは頷けます。私自身も先日『THE LANCER』でも書かせて頂いたように、独立当初は本当に厳しい状況でした。そのため、このイメージは間違いだとは言えません。ただし目先の収入だけに目が向いてしまうことは、フリーランスとして成長していくうえで危険なことではないでしょうか。

守るべきものがある。そのために、どんな働き方が“最適”なのか?

守るべきものがある。そのために、どんな働き方が“最適”なのか?

世の中にはさまざまな仕事があります。中には仕事というより“作業”に近く、誰にでもできそうなものもあるでしょう。単価が低い分だけ受注ハードルは低く、思うように収入が得られないと、日銭を稼ぐべくそうした作業的仕事に手を出してしまいがちです。

しかし単価が低いからこそ、収入を得るには数をこなさなくてはなりません。いつしか毎日それら作業に明け暮れ、スキルアップあるいはより収入の高い仕事を得るためのアプローチ等にかける時間が無くなってしまう。これでは本末転倒です。

もちろん未経験などならば、それでも経験・実績の土台にはなるでしょう。しかしフリーランスとして自立しようとする場合、どこかで方向転換しなければなりません。守られないから、自分で十分な収入を得る。では、そのためにどのように働くのか。そこまで踏み込んで、現状を考えていく必要があるのではないでしょうか。

「働けば、働いた分だけ収入になる」

これもまたよく聞きますが、確かにその通り。しかしだからと言って、時間を切り売りするような働き方をずっと続けていきたいのでしょうか。もちろん何より収入を優先したいのであれば、それでも良いのかもしれません。しかし実務を離れたところでも、得られるものはあります。例えばスキルアップすることで、同じ時間内に完結する仕事でも単価が上がるとしたら?

  • どれだけの収入が欲しいのか
  • どれだけの収入が必要なのか

この2つは、似ているようで異なるもの。前者は目指すべきものであり、後者はその過程において維持すべきもの。私なら後者を維持できる範囲で仕事よりスキルアップに向けた時間を作り、前者に見合う自分を作り上げていきます。

私には、億万長者を目指そうなんて考えが一切ありません。一定の収入基準は持っていますが、高収入を目指すより、むしろ「いかにこの収入を、少ない時間で得られるようになるか」を考えているのです。つまり、お金より時間思考。フリーランスになるならば、まず何が自分にとって最も大切なのかを考えてみてください。

■会社員とは違う?

よくフリーランスになったことで、「自分はちょっと違うんだぜ」的な勘違いをしている人がいます。確かに会社員とフリーランスでは、働き方などに大きな違いが生まれるでしょう。何が起きてもすべて自分の責任ですし、独立という決断はなかなか簡単にできるものではありません。

しかし、それだけのこと。

働き方がどうであれ、私たちは同じビジネスパーソン。そこに優劣はありません。フリーランスも会社員も、1人1人が存在してこそ社会が成り立っています。ただ働き方の選択肢が違っているだけ。別に、フリーランスである自分が凄いわけでも何でもないのです。

フリーランスになると、働くこと、あるいは生きることへの価値観が変わってくるでしょう。すると久しぶりに前職の仲間と飲みに行っても、

「なんだか話が合わない」

「楽しくない」

と感じるかもしれません。逆に同じフリーランスをはじめ、これまでとは異なる人間関係が広がっていくでしょう。すると「会社員とは合わないんだな」なんて勘違いをしそうですが、これも価値観が変わっただけのこと。会社員でも“合う人・合わない人”がいるように、環境が変われば心地よいと感じられる人間関係も変わるのは必然です。

別にフリーランスだから会社員と合わないのではなく、価値観が違っているだけ。会社員であっても、話すことで刺激を受けられ、心地よく感じられる相手は大勢います。つまり、働き方で線引きできるものではないのです。不要な驕りで人間関係を自ら狭めることは、とても勿体無いことではないでしょうか。

■おわりに

長々と書きましたが、結論は「すべて自分の選択次第」ということに尽きます。どんな仕事を受けようが、どれだけの時間を仕事に費やそうが、あるいは誰と付き合いうが自分の自由。しかし偏ったイメージを持ち続けると、どんどん視野が狭くなってしまうのではないでしょうか。

海のように広い視野・思考を持っていこう

海のように広い視野・思考を持っていこう

現在はインターネット等から多くの情報が得られます。しかしそれらは、あくまで全体の中における一部(しかも表面的なものが多い)に過ぎません。安易な“決めつけ”をするには、あまりに情報不足と言えるでしょう。

働き方・生き方について、他を見る必要などありません。自分がどのように働き、生きていきたいのか。それが全ての基準となるはずです。イメージを持つことは大切かもしれません。しかし、あくまでそれが全てではないということを念頭に、自らの歩む道を切り拓いていけたら。私自身もフリーランスとして働くうえで、自分自身に誇れる人生を歩んでいきたいものです。