いいでしょ?僕の人生

柴又100Kを攻略しよう!走り切るために確認したい5つのポイント


ウルトラマラソンは、少しずつ競技人口が増えつつあります。その中心と言えるのが『100kmマラソン』ですが、中には1つの目標として、その完走を見据えている方も多いことでしょう。

余談ですが、私が初めてウルトラマラソンを走ったのは、2012年7月の「奥多摩周遊エコ・ジャーニー」でした。当時フルマラソンのPB(パーソナル・ベスト)は4時間1分43秒。なんとか完走したものの、途中は幾度となく歩き、脚の痛みは捻挫していた…なんてことも。99kmの道程を、15時間50分38秒かけて走り切った思い出深い大会です。その挑戦に向けてロングLSDなど積極的に行いましたが、「甘かったな…」というのが正直なところ。特にアップダウンが激しいコースは、事前研究の不足を痛感しました。

現在、100kmのPBは9時間8分11秒。当初に比べてれば記録は伸びましたが、誇れるほど速いタイムではありません。当ブログでも初ウルトラへ挑戦する方にアドバイス(参考)を書いたことがありますが、そこまでの実力者ではないのが正直なところです。

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しかし、まもなく6月5日(日)に開催される柴又100K

この大会については、出走される皆さまに何かしら得て頂ける内容が書けるのではと思い立ち、ブログを書きました。なぜなら、第1回大会から3年連続で完走し、日常的にも毎週のようにコースである江戸川河川敷を走っているランナーは、そこまで多くないはずだからです。せっかく葛飾区柴又へ“走りに”来て下さるのなら、思いっきり楽しんで頂きたい。そのために、私なりの「柴又100K攻略ポイント」を5つご紹介します。個人的な意見も含まれますが、参考にしてみてください。100kmの部に沿った内容ですが、60kmの部でも応用できるはずです。

< 過去の完走記はこちら→第1回第2回第3回 >

◎Point1:暑さとの戦い
少しでも情報を調べた方なら、きっと「気温が高い」ことはご存知でしょう。すでに今年は日によって30度を上回る気温となっている東京。その中を100km走るわけですから、この“暑さ”は強敵です。特に第2回大会では、私も気温の高さにかなり苦しめられました。エイド毎に頭から水を被り、次のエイドへ着く頃にはすでに乾き切っている状態…。実際、完走率も低かったと聞きます。

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柴又100Kは6:30〜のウェーブスタート。これは、ウルトラマラソンの中でも遅めの時間と言えるでしょう。さらに申告タイム順のブロックに分かれ、10分間隔で走り始めます。そのため、三分の一も走る頃には、かなり気温が上がっていることでしょう。加えて、コース上は日陰がほとんどありません。さらにアスファルトからの照り返しもあり、天候によっては気温以上に体感温度は高くなるはずです。

そのため、スタート時点から暑さに適応した服装などが求められます。太陽光によるダメージを軽減するためには、日焼け止めやサングラスの活用も良いでしょう。特に「忙しくて夜しか走れていない…」という方は、事前に日中気温の高い時間帯に走っておいてください。そのうえで、快適に走れるウェアを選ぶことをオススメします。

◎Point2:河川敷コースのメリット&デメリット
柴又100Kは、そのコースのほとんどが江戸川河川敷の舗装路。アップダウンの少ないフラットコースです。前述した気温なども関わってはきますが、コース環境のみで言えば、

  • 自己ベストが出しやすい
  • 完走しやすい

と言えるでしょう。上り坂でスピードが落ちる懸念もなければ、アップダウンで余計に筋肉を酷使してしまう心配もありません。ペースを保ちやすく、「初めてウルトラマラソンに挑戦する」という方でも走りやすいコースです。ただしベテラン勢にとっては、逆に物足りなく感じるかもしれません。

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1点、何度か河川敷の上部・下部を行き来するための坂道があります。長くても100m程度のものですが、道幅が狭いで注意してください。私は昨年、この坂道に入るところで混雑に巻き込まれ、縁石に当たって転倒。脚を痛めてしまいました。特にスタート直後はランナーが詰まっており、誰もが「インコースで曲がりたい」と考えるもの。落ち着いてコースを確認しましょう。
ちなみに疲れて上り坂がキツいときは、歩いても構わないと思います。100m程度の坂道分なら、いくらでも挽回できるはず。上りはどうしても筋肉に頼った走りになりがち。すると、そこでの無理が後になって響いてくるかもしれません。

尚、河川敷コースにはデメリットもあります。それは“走っていて景色が変わらない”こと。コースは常に江戸川に沿って続いており、ずっと土手と川に挟まれています。応援は駅付近を除いて少なく、変わり映えのしない景色がずっと目の前に広がっているでしょう。正直に言ってしまえば、人によって“飽きてしまう”コースだと思います。集中している間は良いですが、疲労が溜まってペースが落ちてくると、1kmさえとても長く感じてしまうかもしれません。特に「トレッドミルは景色が変わらないから苦手」というタイプ(私はそうです)の方は、あらかじめ覚悟しておいてください。

◎Point3:エイドの充実度
ウルトラマラソンを走り切るうえで、エネルギーや水分等の補給はとても大切です。そのため、エナジージェルやスポーツドリンクを持って走る方も多いでしょう。心配性な方は、バックパックを背負っているなんていう姿も目にします。しかしウルトラマラソンを完走するなら、できるだけ身軽で走りたいもの。なぜなら荷物が重くなるほど、身体への負担も大きくなってしまうからです。

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そこで、頼りになるのがエイドステーション(以後、エイド)。エイドには水分や軽食などが用意され、ランナーの走りをサポートしてくれるでしょう。しかし、“何が、どのくらい提供されるか”は大会によって異なります。

エイドでの提供物に関しては、大会サイトで公開されている案内資料で確認できます。これによれば、エイドは2〜3km毎に設けられているようです。水分補給については、恐らく手持ちしなくても十分ではないでしょうか。

ただし、問題は“食べ物”。地産品は内容が分かりませんが、お腹にたまりそうな「おにぎり」「パン」は合計で8カ所で提供されています。しかし、これらは決して大きいものではないと考えておいてください。実際は走ってみなければ分かりませんが、過去大会だとパンは4分の1、おにぎりは親指サイズ程度のものでした。しかも全ランナーに行き渡らせる必要があるので、“いくつでも食べて良い”というわけではありません。最低限の配慮として、1人1個を基本にしたいものです。スタッフの方は「もっと食べて」なんて言ってくれるかもしれませんが、後になって足りなくなった…という事態も少なくありあせん。

有り難いのが、折り返し地点にある五霞町のエイド。美味しいうどんを食べられるほか、キュウリやトマトといった野菜も提供されています。この後に触れるドロップバックのポイントになりますので、休憩がてらお腹を満たすのも良いでしょう。広いスペースがあるので、ストレッチでカラダをリセットすることも可能です。

第1回大会、私はエネルギー切れで大変な思いをしました。想定より食べ物が少なかったため、50km手前でフラフラ…。なんとか五霞町エイドで回復しましたが、倒れてもおかしくなかったと思います。もし普段からエネルギー切れが早いと感じている方は、補給食を持っておいた方が良いかもしれません。ただし、あくまで必要最低限に留めてください。

◎Point4:折り返し地点でのドロップバッグ
折り返し地点にある五霞町のエイドには、事前に預けた“ドロップバッグ”を受け取ることができます。しかし初めてウルトラマラソンに出場する方は、

「ドロップバッグって何?」
「何を入れておけばいいの?」

と分からないことばかりでしょう。ドロップバッグは入れて預けたものを受け取れるだけでなく、逆に不要なものを預けてしまうことも可能です。結論から言えば“何を入れておいてもいい”のですが、私なりにオススメのドロップバッグ活用をご紹介しておきます。

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<着替え>
50km走れば、間違いなくカラダは汗だくです。そこでTシャツを着替えると、サラッとした肌触りで気分もリフレッシュできます。デオドラントシートで汗を拭き取れば、さらにリフレッシュ度が増すでしょう。もし雨が降っていれば、靴下とシューズを取り替えるのもオススメ。濡れた地面から水を吸いやすい靴下とシューズは、思いのほか重くなっています。また、ふやけた足は靴擦れやマメなどができやすくなりますので、後半を快適に走るうえでも対策となるでしょう。
スタート時と日中では気温差があるので、インナーを着たりアームカバーを装着したりして走り出す方がいるかもしれません。暑いと感じれば、それらを脱いでドロップバッグに入れてしまうのも1つの方法。身軽になるほど、楽に走ることができます。

<補給食>

ドロップバッグがあるので、最初から100km分の補給食を持っていく必要はありません。不安に思われるかもしれませんが、最低限に留めておきましょう。そして減った分(ペースダウンが見込まれれば追加も)をドロップバッグから補充します。
ドロップバッグですから、心配性な方は多めに入れておいても良いでしょう。エイドで提供されるものも、折り返しコースですからさほど変わりません。実際に50km走ってみれば、疲労を踏まえて「どのくらい補給食を持つべきか」が分かるはずです。もちろん少しお腹に溜まるものを入れておいて、しっかり食べてから走るのもオススメ。おにぎりでもサンドイッチでも、好きなものを食べると元気が出てきます。

<メディカル>

100kmという長距離レースでは、何が起きるか分かりません。靴擦れするかもしれないし、他ランナーと接触・転倒するかもしれない。万全と思っていたのに、走ってみたら脚に違和感を感じることもあるでしょう。そのため、絆創膏やコールドスプレーなど、メディカル用品も入れておくと安心です。テーピングテープやサポーターを入れておいても良いでしょう。
また、擦れ防止(股、脇の下、首元、足指 等)にはワセリンなど効果的ですが、走っているうちに汗で流れてしまいます。あるいは日焼け止めも同じ。ドロップバッグに入れておき、塗り直してからリスタートすることをオススメします。

<その他>
その他には、自分で必要なものを安心できるだけ。走る際は身軽であるほど良いですが、ドロップバッグに制限はありません。「必要かも」と思ったら、入れておいてください。たとえ使わなかったとしても、「ドロップバッグで預けてある」という安心感は大きいはずです。

<参考:三河の場合(2015年「柴又100K」)>
■スタート時の持ち物
スマートフォン
■ドロップバッグの中身
着替え(Tシャツ、靴下、シューズ)、ワセリン、日焼け止め、絆創膏、補給食、コールドスプレー、携帯バッテリー、タオル、デオドラントシート
■エイドで行ったこと
・デオドラントシートで全身拭いてリフレッシュ
・着替え(ワラーチ→靴下&シューズ)
・ワセリン&日焼け止めの塗り直し
・スマートフォンを充電(休憩中)

前述の通り、昨年私は縁石に当たって転倒しました。5km付近からすでに走るのがキツくなり、やっとの思いで五霞町のエイドへ。実はワラーチを履いていたのですが、痛む足にワラーチでは衝撃が大きかったようです。シューズに履き替えると痛みが和らぎ(快走できるほどではありませんが…)ました。シューズをドロップしていなかっ
たら、完走できたか分かりません。「備えあれば憂いなし」です。

◎Point5:60〜70km以降で訪れるキツさ
フルマラソンでは“30kmの壁”と良く言われますが、100kmマラソンなら70kmくらいが壁になるでしょうか。周囲には歩き始める人が増え、どんどん脚が重くなってきます。加えて、先に述べたように変わらない景色…思った以上に進まないと感じるかもしれません。

柴又100Kは折り返しコースなので、50km前後ではしばらく他ランナーとすれ違います。知り合いがいる方はもちろん、それ以外でも、他ランナーの姿を見ることは励みになるはず。しかし60〜70km以降は、そのすれ違いがなくなります。場合によっては前後にもランナーが少ない状態になるかもしれません。そこで、いかに気持ちを切らさず走れるか。変化の少ない真っ直ぐな河川敷コースでは、特にこの“気持ち”が試されることでしょう。

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そして終盤になると、少しずつ日が落ち始めます。点々とライトが設置されますが、それ以外はまさに真っ暗闇。寂しさを感じると共に、“進んでいない感覚”はさらに増幅されてくるでしょう。ゴールが暗い時間帯になると予想される方は、ドロップバッグにヘッドライト等を入れておくと安心です。

〜楽しんで走り切るために〜
ウルトラマラソンは何が起きるか分かりません。いつも平然と完走しているように見えるかもしれませんが、私だって「絶対に走りきれる」とは言えないんです。まして初めての出走となれば、緊張や不安はより大きいことでしょう。いくら準備したところで、その緊張や不安はゼロになりません。しかし、だからこそ楽しいし、走り終えた達成感が大きくなります。

「なんとかなる」

できる限りの準備を整えたら、そう自分に言い聞かせましょう。たとえ歩いてしまおうと、諦めず足を動かせば確実にゴールは近づきます。キツくなったら、休んで再スタートすれば良いんです。それでも敢えてアドバイスするのであれば、次の点だけは最後に確認しておいてください。

  • 余計なモノを持っていないか
  • 十分な睡眠時間を確保できているか
  • 直前まで追い込み過ぎて疲労を残していないか
  • 緊張や不安と一緒にワクワクした気持ちがあるか

これらに全て「大丈夫!」と答えられる状態を作れば、あとは練習の成果を出すだけ。きっと走り切れます。1人が辛くなったら、他のランナーやエイドスタッフに声を掛けてみましょう。“誰かと会話する”というだけの行為が、背中を押してくれることもあります。

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大雨が降らない限り、私は今年もトウモロコシの仮装で走る予定です。スタート時やエイド、あるいはすれ違うタイミングでも、見かけたらぜひ声を掛けてください。昨年も、

「ブログ見ました!」
「トウモロコシさん〜!」
「一緒に写真撮ってください!」

なんてたくさんお声掛け頂き、楽しいレースになりました。その声に私はできる限りの笑顔と大きな声で応え、パワーを送ります!!柴又100K、楽しみましょう♪
 

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