いいでしょ?僕の人生

発売間近!青学の駅伝選手も履いた『adizero takumi sen boost2』試用レポート


青山学院大学の“完全優勝”で幕を閉じた、2016年の箱根駅伝。その素晴らしい走りに圧倒されたという方は多いことでしょう。私はハワイ旅行のためリアルタイムでは見られなかったのですが、後から録画で観ました。

そんな青山学院大学の選手がレースで履いていた、アディダスの新作シューズ『adizero takumi sen boost2』。一般には1/15発売予定ですが、このたび仕事の関係から1足いただきました。せっかくなので、実際に履いてみたレポートをお届けします。シューズは走力やフォーム、身体バランスなどさまざまな要素で合う合わないが変わってきますので、ご購入は自己判断で。1つの参考になれば幸いです。

■3000mT.Tでのスピード感

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今回私が『adizero takumi sen boost2』をいただくキッカケになったのが、『adizero takumi SPEED SUMMIT2016』というイベント。メディアからご依頼をいただき、出走取材という形で参加いたしました。こちらのイベントレポートは、後日公開されますのでお楽しみに。

同イベントでは、『adizero takumi sen boost2』を履いて3,000mのタイムトライアルを実施。さらに決勝では1,000mを走ります。私は予選のみ出場となり、結果は10分18秒(1組目5位)でした。
元陸上競技選手としては、トラックレースを走ることそのものが非常に懐かしく…。ラスト1周で鳴る「カランカラン」という鐘の音なんて、もう聞くことはないと思っていました。それだけで私にとっては貴重な機会です。本当にありがとうございます。

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こちらが噂の『adizero takumi sen boost2』。ソールは全体的に薄くてフラット。爪先部分にboostが搭載されており、クッション性・反発性が高められています。そのため、フォアフットもしくはミッドフットで走るランナーに適したシューズと言えそう。これ、いつもサンダル等で走っている私にとっては、まさにドンピシャです。

イベントでは3,000mを走ったわけですが、距離が短いため最初からハイペース(と言っても、私は遅い方でしたが…)。“スピードを出す”という観点から考えると、率直に以下のような感想を持ちました。

  • フォアフットで着地するとboostによってグイッと押し返される
  • 前傾維持でミッドフット→フォアフットの着地がスムーズに流れる
  • メッシュの伸縮性がよくカーブでも足の動きにフィットし安定する
  • かかと部分のホールド感が高くてブレない

ラストスパートは思いっきりパワーランでペースを上げてみましたが、アキレス腱周りや脹脛への疲労が大きかったです。これは恐らくboostによる着地反発が強いから。そのためパワーランで走っている方、また、同部位の筋力に自信のない方はご注意ください。

■ペースを変えて20km走ってみた
マラソン大会は42.195kmありますので、3,000mと比べればペースは遅く、かつ走る距離は長くなります。ということで、今度は20kmを3:45〜6:00/kmとペースを変えながら走ってみました。

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ソールが薄いので、長く走るにはスムーズな重心移動が欠かせないようです(このシューズに限ったことではないのですが…)。重心が下がって脚への体重負荷が高まると、足底から脹脛にかけてすぐ疲労してしまいそう。また、ペースが落ちると着地時間が長くなりがちなランナーもご注意を。体重が乗り続ければ、足底が痛くなってくるかもしれません。私もローペースより、ハイペースの方が走りやすいシューズだと感じました。個人的なポイントとしては、

「いかに体幹を安定させて前傾姿勢を保ち、着地衝撃を受け流すか。」

これができると、力を必要とせずに最後はboostが身体を押し進めてくれる感覚があります。体重がフォア部分にかかった際に地面と足との間でboostがクッションになり、その収縮・反発で無理なく走れるといった感じです。しっかり使いこなすには、私もまだまだフォーム改善が必要かな。

また、靴紐による固定も関係するのですが、全体的にフィット感が高く、シューズ内で足がほとんど動きません。下り坂や砂利道など前後左右へのブレが出やすい場所も走ってみましたが、ちゃんと足底全体を上手く使って着地できている気がしました。

■シューズ選びは慎重に
よくシューズ選びでタイムを基準にする方がいますが、あまりオススメしません。なぜなら、“どういう走り方でそのタイムを出しているのか”が、シューズ選びには大切だと思うからです。実際、イベントでご一緒した方の中には、

「すごくスピードは出るけど、これでフルマラソンを走る力は、まだ自分にはないな」

という感想をおっしゃっていた方もいました。あくまで持論ではあるのですが、そのうえでこの『adizero takumi sen boost2』がどんなランナーに向いているか、私なりの考えを述べておきます。

  • 普段からフォアフットもしくはミッドフットで走り慣れている方(十分な筋力が備わっている)
  • 腱や脹脛周辺の筋力を向上させたい方(トレーニング用)
  • フラットコース(トラック含む)で記録を狙いたい方
  • 10kmやハーフなど短めの距離で
    スピードを出したい方 など

もしこれまでソールの厚いシューズをメインに使ってきたなら、まず短い距離から履き慣らしていくと良いではないでしょうか。スピードが出せる分、いきなりガッツリ走ると脚を痛めてしまうかもしれません。

全体的にはとても走りやすく、シリアスランナーにはオススメできるシューズだと思いました。とりあえず私は、しばらく『adizero takumi sen boost2』をスピード練習中心で使い続けてみます。

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